2016.3.31 05:00
新日鉄住金は30日、現在の中期経営計画を見直し、八幡製鉄所小倉地区(北九州市小倉北区)の転炉と鋳造設備を2020年度末に休止すると発表した。第2高炉を休止する時期も昨年公表した18年度末から2年延期して20年度末とする。
旧住友金属工業だった小倉地区に残るのは「下工程」と呼ばれる圧延ラインだけとなり、原料から鉄を精錬して製品を鋳造する「上工程」は姿を消すことになる。
戸畑地区(戸畑区)に新たな鋳造設備を建設して生産を集約する。第2高炉の休止延期は、生産工程の変更に伴い自動車メーカーなどから品質の認証を取り直す期間が必要となったためだと説明した。
小倉地区で影響を受ける社員300人は製鉄所内の配置転換などで対応し、人員削減はしない。工程変更に必要な費用は500億円規模とみられる。15年3月に発表した当初の計画に比べて費用は増えるが、集約した方がコスト競争力は高まると判断した。