小型無人機「ドローン」の商戦が過熱しそうだ。ドローン世界最大手の中国・深セン市大疆創新科技(DJI)は3日、新商品「ファントム4」を公開した。撮影機能や飛行時間など性能を強化した。同様に仏パロットも今月、軽量化した新商品を発売する。メーカー各社は、機能強化に向けた開発競争を繰り広げている。
ファントム4は、スマートフォンやタブレットにダウンロードした専用アプリ(応用ソフト)で遠隔操作できる。2つの光学センサーで障害物を感知し、自動でよけながら被写体を追尾できるという。また被写体の動きに合わせて、カメラを動かすことも可能だ。
さらにバッテリー容量を従来機種の約1.2倍に拡大したほか、モーターの効率化などにより、飛行時間は最長28分に及ぶ。また、上級者向けの「スポーツモード」を選ぶと、時速72キロでの高速飛行もできる。1日にネットで予約受け付けを開始しており、15日から順次出荷する。価格は18万9千円。
一方、仏パロットは今月下旬、重さ500グラムの超軽量ながらバッテリー容量の拡大で、飛行可能時間を25分にした新商品「ビーバップ2」を日本で発売する。カメラは1400万画素で魚眼レンズを搭載した。
ドローンをめぐっては、昨年12月に改正航空法が施行され、人口密集地などでの飛行を禁止する一般的なルールが定められた。一方で政府は、宅配サービスでの実用化などに向けた規制緩和に前向きな姿勢を示している。
メーカー各社はトラブル防止に向けた注意喚起を行っている。DJI日本法人の呉韜社長は「正しい利用法を広めるため、操縦者の育成も行いたい」としている。