田原総一朗氏らジャーナリスト有志が高市早苗総務相の「電波停止」発言に抗議した29日の記者会見では、TBS系報道番組「NEWS23」アンカーを務める岸井成格氏が安保報道をめぐる自身の発言への批判について、「低俗」「品性のかけらもない」と語気を強めて切り捨てる場面もあった。
岸井氏は会見で、番組編集に当たっての政治的公平などを定めた放送法4条に絡み、「公平・公正という言葉にみな、だまされてしまう。でも、政治的公平は、一般的な公平・公正とは全く違う」と主張。「権力は絶対に腐敗し、暴走する。それをさせてはならないのがジャーナリズムの役割だ」として、「政治的公平を判断するのは国民であり、事実をチェックするメディアだ」と訴えた。
岸井氏は昨年9月の同番組で、国会審議が大詰めを迎えていた安保法案について、「メディアとして廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言。これに対し、作曲家のすぎやまこういち氏が代表呼びかけ人を務める「放送法遵守を求める視聴者の会」が、政治的公平を定めた放送法違反の疑いがあるとして岸井氏らに公開質問状を送ったが、岸井氏は回答しなかった。