外国人観光客を呼び込みたい日本の政府や旅行業界が、経済成長の続くインドに熱視線を送っている。13億人の人口規模から、中国に続く「爆買い」第2波の可能性にも期待する。ただ、文化や食習慣の違いをどう乗り越えるかが課題だ。
日本政府観光局によると、訪日インド人は近年増加し、2011年の約5万9000人から15年に初めて10万人を上回った。観光局はインド市場を重点的に開拓し、16年は2割増を目指す考えだ。
業界関係者らが「最大の壁」と口をそろえるのが食文化の違い。多数派であるヒンズー教徒は宗教上、牛肉を食べない。インド人は多くが豚肉を食べる習慣もなく、菜食主義者が4割に上るとされる。
首都ニューデリーで1月に開かれたインドの旅行会社向けのセミナーで、大阪観光局の幹部は「食の都・大阪をアピールしたいが、難しい」と漏らした。日本政府観光局は対策の一環として、在日インド人が通うレストランの情報をまとめた冊子をつくった。