ビール各社が酎ハイやカクテルなどRTDと呼ばれる低アルコール飲料市場に熱い視線を注いでいる。購入後、栓を開ければすぐに飲める気軽さがうけ、若年や女性を中心に人気が高まっている。ビール類が縮小する中、右肩上がりで伸びており、各社の主戦場となりつつある。各社はRTDを戦略商品と位置づけており、今後、販売競争は一段と激しくなりそうだ。
サントリースピリッツの推計によると、2015年のRTD市場は前年比9%増の1億4960万ケース。16年は7%増の1億5960万ケースと9年連続で伸びる見通しでビール各社は、今春も多くの新商品を投入する。
キリンビールは25日、主力の缶酎ハイ「氷結」ブランドに高級タイプの「氷結プレミアム」を追加し、4月5日に発売すると発表した。味はレモンとグレープフルーツの2種類。既存商品に比べ果汁を倍増した。RTDの責任者を務めるマーケティング部の田中耕平主幹は「プレミアムビールと競合するような高級感のある商品ができた」と話す。