長内厚・早稲田大ビジネススクール准教授の話
「鴻海精密工業がシャープを買収する狙いは商品企画力にある。受託製造(EMS)大手として米アップルやソフトバンクの商品を製造してきた。だが、自主企画商品はうまくいかなかった経緯がある。良い商品をつくる頭脳(商品企画力)が欲しい。それがシャープだ。液晶を供給するスマートフォンの世界市場は、アップル対韓国サムスン電子の戦いだ。サムスンは最終製品を作る能力を持つ。鴻海もシャープの組織をまるごと取り込むことで、自前の商品を開発する力を得たいのだろう。安倍晋三政権は海外資本による投資拡大を成長戦略に掲げている。国内産業保護のために外資を排除すれば、国際社会の理解は得られないだろう」