2016.2.23 07:51
楽天がアジア3カ国のインターネット通販(EC)サイトを3月に閉鎖することが22日、分かった。インターネット通販で国内首位を続けてきた「楽天市場」は競争激化で成長が鈍化。鳴り物入りで始めた電子書籍事業も減損処理を余儀なくされ、右肩上がりで駆け上がってきた成長路線から「選択と集中」にかじを切り始めた。強気の姿勢を崩さない三木谷浩史会長兼社長も昨秋から楽天市場のてこ入れを最重要課題に据えるなど、危機感が高まっている。
営業益が失速
「楽天経済圏」拡大の戦略地域に位置付けて相次ぎEC事業で進出したアジアだが、シンガポール、マレーシア、インドネシアの各サイトを3月末までに閉鎖する。2011~14年に始めた3カ国への展開だったが、現地の競合他社に太刀打ちできなかった。
これらの地域でサイト立ち上げに携わった元社員は「人件費などのコストを考えると採算は取れていなかった。競合他社と戦うためには販促費を増やす必要があったが、その投資が将来の成長に見合わないと判断したのでは」と撤退の理由を推察する。