周囲に気兼ねなく、映画観賞や子供連れの食事会、1人での歌の練習を楽しみたい。そんな要望に応えるカラオケルームの新サービスが広がっている。少子化を背景に市場が縮小傾向にあるカラオケ業界。顧客層を広げるため、個室のさまざまな活用法を提案する。
◆周り気にせず楽しむ
カラオケ店「コート・ダジュール」を運営するヴァリック(横浜市)は、映画配給会社「ワーナー エンターテイメント ジャパン」(東京)と提携し、最新映画をカラオケ店で観賞できるサービス「シネカラ」を今年から本格始動した。昨年9月に神奈川県内の店舗で試験的に開始。1月20日から、全国175店舗のうち、東京都、神奈川、千葉、埼玉、静岡各県の計27店舗に導入した。3年後には150店舗以上への拡大を目指す。
シネカラは、劇場公開後13週目からDVD発売までの約1カ月間、新作映画を個室で見られる。100インチの大画面が2面ある部屋や、広々としたファミリールームなどから選べる。映画1本の料金と部屋料金3時間分、飲み物1杯サービスで基本料金は午前9時~午後6時が大人1620円、小中高校生1080円。午後6時以降は大人2160円など。
周りを気にせずに家族や友人と一緒に伸び伸びと観賞でき、トイレ休憩のために一時停止することも可能で、飲食も自由に楽しめる。
カラオケ店での観賞を入り口に映画ファンが増えれば映画業界にとってもメリットがある。ヴァリックの中林佑烝社長は「カラオケと映画の融合による新しいレジャーを提供したい」と意気込む。
ニュートン(東京)は東京都、千葉、神奈川両県、大阪府で「カラオケパセラ」計約30店舗を運営。このうち日中営業をしている店舗の約8割で「昼カラでママ会」プランを導入。最長6時間半のコースは、料理10品とソフトドリンク飲み放題で1人3800円。未就学児は無料だ。