□クラウドワークス・吉田浩一郎社長
労働者人口が減るなか、日本経済にクラウドソーシングは欠かせない。クラウドソーシングは、不特定多数の群衆(クラウド)に業務委託する(ソーシング)という意味の造語。企業や個人事業主が、インターネット上の登録者に依頼して、ネットショップ代行や翻訳のサービスを受けたり、コード・文章・音声・ロゴデザインなどのコンテンツを獲得したりする。
「クラウドワークス」はクラウドソーシングを簡単にするウェブサービスだ。2011年に創業した吉田浩一郎氏は、着想からわずか3年で上場を達成し、後発でありながら、クラウドワークスを日本最大級のサービスへと成長させた。
◆チームワーク重視
--数年で目覚ましい発展を遂げていますね
「おかげさまで登録会員は80万人を超え、顧客企業は12万社を数えます」
--オフィスを見回すと、まだスタートアップらしさが感じられます。成長してもスタートアップの文化を保つ秘訣(ひけつ)は
「日経新聞で一度、私たちは『第2のソフトバンク』と紹介されたことがあるんです。当社はもちろんそのような高い目標を掲げていますし、孫さんの功績は素晴らしいので尊敬しています。でも、私は孫さんとは全く違います。彼のように強くないので、私にはチームが必要です。チームがあるからこそ、クラウドワークスは成り立っています。会社が大きくなってもスタートアップらしさを保つには、チームワークの精神を維持することが大切だと思います。社内階層をフラットにして、コミュニケーションが取りやすいように風通し良くあり続けたいです」
--世代の違いかもしれませんね。日本は以前に比べてずっとフラットになったと思います
「そうかもしれません。いまの社会ではいろいろなことが変わりつつあります」