日銀の「マイナス金利政策」が16日、始まった。世の中の金回りをよくし、「投資や消費を刺激する」(黒田東彦総裁)のが狙いだ。すでに住宅ローンや貸し出しの金利を引き下げる銀行が相次ぐが、預金金利の低下や資産運用難などの影響も出始めた。企業や家計にはメリットとデメリットの両面がありそうだ。
同日の短期金融市場では、金融機関が資金の貸し借りをする無担保コール翌日物の金利が急低下し、0%をつけた。
民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部に年0・1%のマイナス金利がかかる。同預金の残高は現在250兆円で、マイナス金利の対象となるのはこのうち10兆~30兆円になる見込みだ。
国債市場では1月末のマイナス金利導入決定後から利回りが急速に低下。長期国債の代表的な指標である新発10年債利回りは9日にマイナスに突っ込んだ。
金利の急落を受け、三井住友銀行は16日、10年固定型住宅ローンの最優遇金利を過去最低の年0・9%に設定。みずほ銀行は企業向け融資の目安となる長期プライムレート(優遇貸出金利)を10日に過去最低の年1・00%に下げた。