2016.2.4 05:00
東芝は3日、予算策定プロセスを見直したと発表した。旧経営陣が各決算期ごとに高い水準の利益を計上しようとしたことが不正な会計処理につながったとみられ、現金の流れである「キャッシュフロー」を最も重視したプロセスに移行。それぞれの社内カンパニーに徹底するため、業績評価制度でもキャッシュフロー重視を鮮明にする。
具体的には、各カンパニーごとに有利子負債の限度額を設定し、これを超えた場合、改善計画を策定するなど管理体制を強化。各事業の投資額を決めるにも、収益性だけではなく、市場シェアなどの指標に基づいて成長性を評価する。成長が見込めない事業は見直しを検討する。
各カンパニーの業績評価は、属している社員の賞与に反映され、高い目標を設定する動機になっていた。このため、4月以降、これまで業績評価の配点で80%を占めていた「収益」を40%に下げ、営業キャッシュフローと有利子負債からなる「資金」を60%と最大にする。また、これまで各カンパニー下の事業部の評価は本社が行っていたが、各カンパニーに移管する。
東芝には、原発を手がける「電力システム社」や、記憶用半導体の「セミコンダクター&ストレージ社」などのカンパニーがある。各カンパニーが予算達成を競い、「当期利益至上主義」に拍車をかけたとの見方があり、制度変更で再発防止につなげる。