2016.2.1 06:29
食品が体にどのような効果があるかを国に届けることで表示できる「機能性表示食品制度」。昨年4月からスタートしており、アサヒ飲料は、目や鼻の不快感を緩和する緑茶飲料「めめはな茶」を投入した。長年にわたり社内で温めてきた“資産”である茶葉「べにふうき」の商品化に成功した開発チームは、「日常的に飲用することで、手軽にすっきりできる」とヒットに手応えを感じている。
5倍吸収されやすい
「わが社の長年の蓄積がお客さまにお伝えできる」。2014年秋、アサヒ飲料の研究開発本部(茨城県守谷市)に勤める研究企画グループの篠田有希課長は、社内の打ち合わせで機能性表示食品の開発に取り組むことを知り、希望を抱いた。べにふうきの価値が、消費者に分かりやすく伝えられると考えたからだ。
アサヒ飲料は商品化の可能性に着目し、01年から国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(同県つくば市)などと共同研究を続けてきた。その結果、べにふうき茶葉に含まれるメチル化カテキンには、通常のカテキンに比べ、約5倍体内に吸収されやすい特徴があり、ほこりやハウスダストによる目や鼻の不快感を緩和する効果があることを解明した。鹿児島県内の農家にべにふうきの苗木を提供するなどして、量産化に向けた準備も進めていた。