経営再建中の東芝が、売却を検討している医療機器子会社、東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)について、8割程度の株式を売却する方向で調整していることが8日、分かった。2割程度の株式を残し、一定の影響力を維持したい考えだ。週明けにも入札手続きを始める。東芝の財務内容は急速に悪化しており、“虎の子”ともいえる優良事業を手放し、自己資本比率を高め、経営を安定化させる狙いがある。
「東芝の財務状況は想像以上に傷んでいる。優良事業のヘルスケアを売らざるを得ないくらい、追い詰められている」と明かすのは幹部の一人だ。
東芝はテレビやパソコンなどの家電部門や半導体部門の不振に加え、リストラ費用が膨らみ、2016年3月期連結決算の最終損益は過去最大の5500億円の赤字になる見通しだ。