インターネット市場でスマートフォンの普及が引き続き加速し、2015年3月末の国内世帯普及率は60%に達している。これに伴い、モバイル機器からネットメディアへのアクセスも増え続けている。電子雑誌出版を手掛けるブランジスタは、読者が無料で読める多様なジャンルの電子雑誌で月間読者200万人を獲得している。岩本恵了社長は「紙の雑誌に負けないクオリティーで、ウェブの利便性を兼ね備えている」と話している。
--どのような雑誌を発行しているのか
「07年に初めて、日本の観光地や旅館などを紹介する旅雑誌『旅色』を創刊した。以降、男性向けファッション誌『グーダ』、政治・経済誌『政経電論』、スマホ専用ファッション誌『ジンジャーミラー』など幅広いジャンルの11誌を次々と発刊している。紙の雑誌の電子化ではなく、電子版用のオリジナルコンテンツだ」
--独自の特徴は
「従来の出版社が電子版を発行する場合、紙の雑誌をそのままデータに置き換えるだけだった。しかし当社は企画、編集、制作、発行まですべてを自社で完結させている。軽快に閲覧できる動画のほか、eコマースともリンクさせて物品を購入することもできる」
--ビジネスモデルは
「当社で制作、発行し、広告掲載料を得る『自社完結型』と、依頼を受けて媒体を制作して納入し、制作費を得る『制作納品型』。依頼を受けて制作して納入し、営業活動も請け負って制作費と広告掲載料を受け取る『広告営業タイアップ型』がある。広告営業タイアップ型は、広告が順調に増えた場合、依頼者は支払った制作費を上回る収益を得る可能性がある」