■資源と非資源の共存へ再構築が課題
--2015年度業績見通しを下方修正した。足元の経営環境をどう見るか
「中国を中心に新興国も成長が鈍化することから、世界経済は緩慢な成長になる。一段の資源安は少なくとも16年度は続く。足元の資源の供給過剰は真摯(しんし)に受け止め、しのぐしかない。まずは非資源で3500億円程度の基礎利益で安定収益を確保し、その上で資源の収益を上積みする」
--16年度からの次期中期経営計画の課題は
「20年に非資源の利益倍増、資源は持ち分生産量の倍増という将来像自体は変更しないが、資源価格下落の長期化という環境変化に対応する。資源と非資源を共存させつつ、どの程度資源のポートフォリオを再構築するかが最大の課題だ。後任社長に指名した垣内威彦常務執行役員は食糧など非資源のプロで、長期の視点で経営する理念も共有している」
--資源戦略は
「産業界への資源供給の責任や使命感を持ってやっている。ただ、最終投資決定を遅らせるなど時間軸のずれは出てくる。資源権益の基本的な競争力はあるが、聖域を設けず、競争力を再検証した上でコアになる優良資産を選び組み替える」
--資産の組み替えに加え、パルプ事業の縮小など事業領域の入れ替えを進めている
「営業のグループで47あった事業領域を39に取捨選択した。一方で、時代は変わる。シェール関連、ヘルスケア、農業など新事業領域を検討するためのタスクフォースを部門横断で立ち上げた。これを実際の次世代収益に育てることが次のチャレンジだ」