遊技業界は現在、のめり込みの防止に向けた射幸性抑制の真っただ中にある。そのような背景で、12月を前にギャンブル依存症をテーマにした講演やディスカッションが行われた。
一つは、ギャンブル依存症問題を考える会(田中紀子代表)が日経カンファレンスルーム(東京都千代田区)で催した「ギャンブル依存症対策 推進フォーラム」(共催・希望日本投票者の会)。「ギャンブル依存症対策を求める10万人署名」を始めるキックオフイベントとした。
当日は、「ギャンブル依存症とはどんな病気なのか?」と「ギャンブル依存症対策を推進するには」をテーマにシンポジウムを開催。後者には、柴山昌彦衆院議員(自民党)、角田秀穂衆院議員(公明党)、初鹿明博衆院議員(維新の党)、薬師寺みちよ参院議員(無所属)と、ファシリテーターとして元経済産業省の宇佐美典也氏と田中代表が参加。パチンコ・パチスロを取り巻く環境変化や依存問題への対処についてなど、議論を繰り広げた。
シンポジウムで宇佐美氏は「パチンコの高射幸性化について警察庁から本腰を入れた指導があった」と報告。さらに遊技産業健全化推進機構の調査により、遊技機が違法な状態にある疑いすらあると説明しながら、より広く国民が遊べる娯楽に戻すべきだと提言。依存症対策については「適正化の取り組みにある」ことを評価しつつ、7月29日に設立した超党派のギャンブル依存症対策推進勉強会の活動など、対策検討を続けていることが伝えられた。