2015.12.5 05:00
グーグルの自動運転車について説明する同社担当者=米カリフォルニア州、グーグル本社(AP)【拡大】
□日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎
仕事柄、新商品開発について相談を受けることが多い。しかし最近、その前提をお聞きしていて、あれっ? と疑問に思うことも多い。今回はそのようなよく陥りやすい5つの課題について取り上げてみたい。
◆まず市場を知る
(1)競争しているマーケット、競合企業の内容をあまり知らない
思わず、そんなばかなと思ってしまうが、自社のマーケットや競合となる企業の内容を知らないことが多い。例えば、国内外のマーケット動向や自社の立ち位置、競合他社の商品詳細などを突っ込んで聞いてみると、答えに窮してしまう。
これは、仕事が細分化され過ぎて、自社の中でも細かな点に気を配り、大きな視野で物事を見る機会が減っているからかもしれない。また競合他社の商品への関心も薄いのであろうか。
筆者の場合、電気自動車の開発中、競合他社についてプレゼンターの代役が務まるくらい熟知していたのであるが、このように徹底的に調べて、その上で対応策を練ることが希薄になっているように思える。
米コロンビア大学ビジネススクール教授のリタ・マグレイス氏は著書「競争優位の終焉(しゅうえん)」の中で、「どこで戦うかは、業界ではなくアリーナ視点で」と説く。つまり自社業界のみで考えるのか、より広範な業界周辺も含めたアリーナに視点を置き考えるかは大きな違いがある。その中で、同業他社との位置づけや自社の立ち位置、進むべき方向などを考えることが大切であろう。