米製薬大手ファイザーがアイルランドの同業大手アラガンを事実上買収する方向となり、米欧製薬大手の巨大化が一段と加速する見通し。規模で見劣りする日本の製薬会社が米欧勢との競争に立ち向かうのは一段と困難になり、経営戦略の練り直しを迫られそうだ。
製薬業界は「規模の経済」が働きやすく、医師が処方する医療用医薬品を収益の柱とする米欧大手は同業他社との合併・買収(M&A)に積極的だ。
新薬は特許切れになるとジェネリック医薬品(後発薬)に市場を奪われるため、競争力のある製品を投入し続けていけるかどうかが収益力を左右。ファイザーとアラガンの年間売上高を合算すると600億ドル(約7兆4千億円)を超え、スイスのノバルティスの売上高も約580億ドル(昨年12月期)に上る。
これに対し、国内最大手である武田薬品工業の今年3月期の売上高は1兆7778億円にとどまり、日本勢の生き残りは難しさを増している。(共同)