「世界に発信する東アジアの知財制度と戦略」と題して日中韓連携知的財産シンポジウムが12月4、5日、東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で開かれる。日米欧に中韓を加え、「五極」と称される現在、東アジアは世界の知財活動をリードする一角となり、その制度や戦略、行政や司法のあり方が注目されている。対象者は大学、研究機関、企業などの知財関係者、弁理士をはじめとする専門家で、参加者を募集している。
パネルディスカッション「東アジアから発信する知財司法制度と戦略」では、初めて日中韓の知財司法の専門家が集まり議論を交わす。日本の知的財産高等裁判所や韓国特許法院に相当する北京知識産権法院が昨年中国に設立され、各国で知財裁判の体制が整いつつある。外国企業が安心して訴訟に臨める環境づくりは大きな課題であり、各国の現状が解説される。このほか各国の企業名やブランド名、地名などを他国で勝手に使用する商標の冒認出願問題、企業の秘匿する技術・ノウハウを海外企業などへ漏洩(ろうえい)・搾取する営業秘密問題について学識経験者や専門家、行政官によるディスカッションを行う。
登壇者には、特許庁の伊藤仁長官、日本知財学会の渡部俊也会長のほか、海外公務出張が厳しい中国からは中国知識産権研究会の李順徳副理事長が、韓国から韓国知識財産学会の尹宣煕(ユン・ソンヒ)会長ら各国の権威が名を連ねる。