秋から冬にかけて旬を迎えるジビエ。北海道では10月1日に、国内のその他の地域では今月15日から狩猟が解禁され、新鮮な国産ジビエが楽しめる季節となる。
ジビエとはクマや野ウサギなど野生鳥獣の食肉全般を指し、フランス料理では貴重な冬の味覚として欠かせない食材。国内でも北海道や長野県などの中山間地域では、シカを使った「もみじ鍋」やイノシシを使った「ぼたん鍋」などが郷土料理として親しまれてきた。安定供給が難しく、衛生面の課題もあり流通経路が確立されておらず、国産ジビエを楽しめる機会は少なかった。一方でシカやイノシシによる農作物の被害は拡大しており、その被害額は全国で200億円とも言われている。捕獲されたものは大半が処分され、食肉利用は現在でも14%程度にすぎない。そのような状況の中、農林水産省が国産ジビエ利用促進の取り組みを展開、厚生労働省も昨年「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」を作成した。こうした動きによりジビエ肉の処理場の増設など流通インフラが整備され始め、都内の飲食店でも国産ジビエを口にできるようになった。
ぐるなびに掲載しているジビエ料理を提供する飲食店の数は、2013年から昨年で約2倍、さらに昨年から今年でも約1.5倍に増えた。ぐるなびでユーザーが「ジビエ」をキーワードに検索した回数も同ペースで増加しており、急速な関心の高まりがうかがえる。長らく続く肉ブームと、健康志向の高まりの両面から、今後もさらに注目を集めそうだ。