【遊技産業の視点　Ｗｅｅｋｌｙ　Ｖｉｅｗ】 (1/2ページ)

　□シークエンス代表　ＬＯＧＯＳインテリジェンスパートナー・三浦健一

　■換金方式と射幸性の高さが織りなす「影」

　ぱちんこ業界では、つねに「換金」と「射幸性のレベル」が表裏一体で動いている。

　警察庁は２００２年の通達で「等価、高価交換は換金が行われていることを標榜するもの」と指摘。等価交換などの表示は「換金の特殊景品を堂々と宣伝していると解釈できる」との見解を示していた。

　広告宣伝規制では、パチンコホールのチラシやイベントの告知が「著しく射幸心をそそる行為が行われていること、風営法違反の疑いのある行為を行っていることをうかがわせるもの」を規制対象に挙げた。また、全国警察通達では「遊技機の無承認変更や賞品買い取りなどの悪質な違反が潜在している疑いが認められる営業所について必要な捜査を行うなど、根源的かつ悪質な違反の立証に努め、その事件化を図ること」を指示している。すなわち、「くぎ曲げなどの遊技機の無承認変更をはじめとする違反を行っている蓋然性が高い」と断定した。

　ちなみに、当時の課長補佐発言は「いわゆる出玉系イベントというのは違法行為を前提とするもの。遊技機の本来の性能に調整を加えられない以上、こうしたイベント広告を行っているホールは、とくにくぎ曲げに安易に手を染めているのだと考えている。くぎ曲げは、徹底的に排除しなければならない」。

　広告宣伝規制、適切な賞品提供、そして今回の遊技くぎ問題につながるものは、すべて換金方式と射幸性の高さが織りなす影の部分が浮き立たせているものだ。その意味で今般の規制が決して新たに生まれたものでないこと、賞品の適切な提供については約４年もモラトリアム状態で放置されていたともいえる。