使われていない特許を有償で中小・ベンチャー企業に開放する大企業が増えている。こうした開放特許の活用を地元企業に呼びかける先駆けとして知られる川崎市の知的財産交流会に今年、シャープが初参加した。知財を生かしたビジネスマッチングを見送っていた同社にとって再参入となるが、川崎市の交流会では31の開放特許を紹介、早期成約を目指す。ロイヤルティー収入を手に入れ、開発者のモチベーションアップを図る。中小企業の活性化に寄与すれば雇用や税収増を通じて地方創生にも貢献できる。
「個別面談会があり魅力的。すぐに成果に結びつかなくても(中小企業と)話をすることで他の知財でマッチングできるかもしれない」
川崎市産業振興会館(川崎市幸区)で9日開かれた知財交流会に参加したシャープ研究開発本部知的財産権センター特許推進部の水方勝哉部長は確かな手応えを得た。これまで参加した知財交流会は、イベント開催が目的のように感じ、成約につながるか疑問で交流会への参加を取りやめていた。