【因島の奇跡 万田発酵】(4-4)困難をチャンスに変え事業拡大目指す (1/2ページ)

2015.10.9 05:00

因島から望む瀬戸内の風景。温暖で雨の少ない気候が特殊な発酵条件を作り出す

因島から望む瀬戸内の風景。温暖で雨の少ない気候が特殊な発酵条件を作り出す【拡大】

  • ミャンマーの子供にノートを手渡す松浦良紀社長。プロジェクトは教育支援の側面もある
  • インタビューに応じる、万田発酵の松浦良紀社長=東京都千代田区

 □松浦良紀社長に聞く

 五十数種類の植物原料を3年3カ月以上の歳月をかけて発酵させる「万田酵素」は、健康食品だけでなく肥料や飼料添加剤など農畜産分野にも用途を広げている。製造元の万田発酵では特に農業向けの海外需要が拡大するとみて、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を中心とした輸出販売を進めていく考えだ。また、企業の社会的責任(CSR)活動としてミャンマーでの農業支援活動にも注力している。松浦良紀社長は困難をチャンスに変える気概が重要と語る。

 --足元の業績、事業バランスをどうみている

 「全体の売上高約120億円のなかで、85%が万田酵素などを中心とした健康食品部門、残りが特殊肥料の万田31号を含むアグリ事業、水産・農畜産などが占めている。今後は国内外でアグリ事業が大きく伸びると思う。全体に占める事業割合を増やしていきたい」

 --アグリ事業の海外戦略は

 「これまでは国内事業に傾注してきたが、ASEAN諸国での展開を急ぎたい。年内にASEAN地域に現地法人をつくる計画もあり、現地にあった価格帯での販売方法などを検討していく。他国などでも当然拡販していきたい」

 --国内アグリ事業は

 「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉結果に注目している。農産品の自由化が拡大すれば、日本の農業は高付加価値化にかじを切らざるを得ない。例えば現代の野菜の栄養価は、以前の10分の1にも満たないとの研究結果があるが、連作による農地の荒廃が背景にあると考えている。万田31号などを効果的に使うことで、見た目だけでなく栄養面でも群を抜く農産物を作れると考えている」

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