2015.10.3 07:12
日本では首相官邸に無人航空機のドローンが落下して問題になり、海外でも飛行するドローンに拳銃を付けて撃つ少年が現れて、ドローンへの良くない話題が取りざたされている。一方でソニーモバイルコミュニケーションズ(東京都港区)とロボットベンチャーのZMP(文京区)が、自律型のドローンを使って測量などを行うビジネスに進出。鬼怒川の河川氾濫でも、ドローンが撮影した動画像が被害実態の把握に役立っている。画期的な技術とも言えるドローンを、どうしたら安全に、そして有効に活用していけるのか。
デジタルハリウッド大学が今年7月、ドローンの安全ガイドライン策定に取り組んでいる一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と共催で開いたシンポジウムが「ドローンとデジタルコンテンツの未来像」。ここでJUIDA理事長を務める東京大学大学院教授の鈴木真二氏は、無人航空機システム(UAS)の市場拡大に伴って、訓練やライセンス発行といった操縦関係、点検・修理などの機体関係、保険・介護サービス、ルートマップや気象データといった機体運運行関係のサービスが必要となり、「そのための産業が広がっていく」と予測した。
ドローンの活用事例として鈴木教授は、米国で実験されている医薬品の搬送、日本で行われたゴルフ場でのAED(自動体外式除細動器)の緊急搬送テストなどを紹介。「GPSが届かない室内で自動飛行ができるようになれば、倉庫内での自動搬送や在庫管理にも使えるようになる」と、事業的な広がりを示唆した。