新国立競技場や公式エンブレムなど問題が続く2020年東京五輪で、新たに「2019年展示場問題」が浮上している。国内最大の規模を誇る東京ビッグサイト(東京都江東区)など首都圏の大型展示場が五輪会場となり、期間中だけでなく、前年から他の催しに使用できない恐れがあるためだ。ビッグサイトでは東京モーターショーや同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」などが定期開催されており、関係者は懸念を強めている。(田村龍彦)
2020年7月に開幕する東京五輪の際、ビッグサイトには国内外の報道陣の取材拠点となる国際放送センターやメーンプレスセンターが設置される。パラリンピックを含め、期間中は継続利用される見通しだ。
五輪招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルには、五輪の国際映像を供給する五輪放送サービス(OBS)などがスタジオの設営や機材搬入といった事前準備で、「19年7月から」ビッグサイトを占有できると記されている。
事前準備がこの通りに行われると、19年半ばには一般利用ができなくなる。これまで行われていた展示会やイベントは、別の会場などでの開催を余儀なくされる恐れがあるのだ。