電縁、災害時のBCP策定を支援 ビジネス目線で専門家がアドバイス (1/2ページ)

2015.9.8 05:00

電縁の加藤俊男社長は「よりビジネス面を意識したBCPを策定できる」と強みを強調する

電縁の加藤俊男社長は「よりビジネス面を意識したBCPを策定できる」と強みを強調する【拡大】

 地震、火山噴火、台風と、自然災害が頻発する日本。企業にとって、日ごろからこうした災害に備えておくことは、持続的な発展を遂げる上でとても重要だ。電縁は、災害時に企業がとるべき行動をあらかじめまとめたBCP(事業継続計画)の策定コンサルティングに3年前から乗り出し、順調に顧客を増やしている。

 「当社のBCP策定支援は、ビジネスコンサルタントが担当している。彼らはビジネスの専門家。危機管理専門家であるリスクコンサルタントが大半の他社とは違う」。電縁の加藤俊男社長は、自社のBCP策定支援事業についてそう説明する。

 ビジネスコンサルタントがアドバイスする分、計画はより具体的で実際の業務に即した内容になるという。製品の供給責任や地域復興への貢献、従業員の安全確保といった具体性のない方針を掲げるのではなく、自社の事業形態を踏まえた上で、何をすべきかを定めている。

 BCPの内容が有効かを事前検証する「演習」にも独自姿勢が反映されている。同社はITシステムをテストするのと同じ要領で、どう状況を把握し、どう行動すべきかを従業員に答えさせた上で、正しく理解しているか確認。併せて計画が適切かも検証する。だから「シナリオに沿って動くだけの『演劇会』にはならない」という。

 計画を現実に即したものとするには、現場の社員を含む会社全体が策定に参加する必要がある。このため策定には時間がかかりがちだが、代わりに的外れな内容になりにくく、作業の後戻りが生じにくい。それどころか、「策定するうちに業務の無駄が見えるなど、副次的な効果も得られる」。

 同社は、2011年の東日本大震災直後に策定支援事業を始めた後発組。当初は他の策定支援サービスと同じ姿勢で望んでいたが、「顧客にとって本当に意味があるのか疑問に感じ始め、現在の形に改めた」という。

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