化粧品各社が、60代女性をターゲットにした商品を投入している。アンチエイジング(抗加齢)をうたった商品は従来もあったが、対象を50代以上とひとくくりにする場合が大半で、60代以上に絞り込むのは珍しい。少子高齢化による人口構成の変化で、化粧をする人に占める60代の割合は高まる一方。国内市場が頭打ち状態となる中、新たなニーズを掘り起こす考えだ。
カネボウ化粧品は、化粧品専門店向けブランド「トワニー」に、化粧品や乳液といったスキンケア商品の新シリーズとして60代以上向け「グロウ」を追加し、10月16日に発売する。60代女性の肌は加齢で皮脂が少ない事実を踏まえ、油分を補い、うるおいを保つ商品を目指した。
同社によると、化粧をする人に占める60代以上の割合は、ここ10年で3分の1から4割まで高まった。これまで60代以上の女性は他の世代向け商品を使うことが多かったが、「最近は見た目が若々しく、美の意識も強い」として商品拡充を図る。