2015.7.29 05:00
小売り最大手のイオンがカンボジアで初出店となる「イオンモールプノンペン」を首都プノンペンで2014年6月30日に開業して1年以上が経過した。延べ床面積が国内最大規模の約13万2000平方メートルで、日系を含む200店に及ぶ専門店、総合スーパーマーケットに加え、レストラン街やシネマコンプレックス(複合映画館)など娯楽施設を併せ持ち、同国初の本格的なショッピングモールとして注目を浴びている。また、プノンペン市内に2号店を建設する計画もある。経済成長著しいプノンペンの消費者にどう受け入れられたのか。イオンモールカンボジアの矢島誠社長に聞いた。
◆購買力が向上
--これまでの来客数や売り上げは想定通りか
「1年間で約1500万人のお客さまに来ていただいたが、これは予想を1.5倍ほど上回る。平日は1日平均2万5000人、週末は5万から6万人。夕方から夜にかけて、来客が集中する。週末の夜には駐車場がいっぱいになることもあり、新たに敷地内に800台収容の立体駐車場をつくり、この7月から使用を開始した。駐車可能台数は合計2000台になっている。一方、年間の売り上げも、数字は公表していないが、ほぼ見込み通りだ。1人当たりの消費額は予想をやや下回るが、『値段が高いから売れない』ということではないと分析している。例えば高級靴やバッグ、家電製品などの売り上げは好調で、プノンペンの消費者の購買力が増したことを感じる。また、駐車場が足りないことからも分かるように、車での来客が目立つのもイオンモールプノンペンの特徴だ。車両利用者の内訳は、車4割、バイク6割。たとえばベトナムのイオンモールに来店する車両利用者のうち車が約1割というデータと比べると、プノンペンが想像以上に早く『車社会』となっていることが分かる」