名門の重圧…東芝“狂わせた”トップ対立 財界総理へ執念、業績にこだわり (1/3ページ)

2015.7.22 06:35

利益水増し問題についての会見で頭を下げる室町正志会長、田中久雄社長(左から)=21日、東京都港区の東芝本社

利益水増し問題についての会見で頭を下げる室町正志会長、田中久雄社長(左から)=21日、東京都港区の東芝本社【拡大】

 ■【歪みの代償】(上)

 「次を頼む」。日本経団連会長だった御手洗冨士夫現キヤノン会長兼社長が2009年、当時副会長だった東芝の西田前相談役に後継を打診すると、西田氏は会長就任に強い意欲を示した。石坂泰三、土光敏夫に続く3人目の財界総理の椅子は目前だった。

 しかし、当時、日本商工会議所の会頭に岡村正東芝相談役が就任していた。経済3団体のトップの2つを同一企業で占めることに財界から異論があり、西田日本経団連会長は実現しなかった。だが、西田氏は財界総理の椅子を諦め切れず、住友化学の米倉弘昌現相談役の次を狙っていたとされる。

 第三者委の報告書では利益水増しの内訳や、経営トップが「チャレンジ」と称して収益改善目標の達成を部下に迫る「利益至上主義」、上司の意向に逆らえない「社内風土」について説明されているが、歴代トップが、なぜ利益水増しを働いていたのかは記されていない。

 東芝は08年度の決算でリーマン・ショックの影響を受け、半導体事業が低迷し3435億円の最終赤字を計上。当時社長だった西田氏は責任を取る形で、09年6月に佐々木氏に後を託した。

東芝の利益至上主義は、ここから始まった

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