□ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田
■ぱちんこ「自主規制」の実態
回胴式遊技機製造業者連絡会という集まりがある。これはパチスロメーカー組合である日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)を中心に、日電協に加盟していないパチスロメーカーも含めた包括的な集まりだ。ここが、昨年から勃発したART問題についての新しい自主規制を正式に決定する。本稿執筆時点は14日であるが正式決定は15日の予定だ。
この連絡会は、日電協が中心ではあるが、ぱちんこメーカー組合の日本遊技機工業組合(日工組)の加盟メーカーにもパチスロ製造業者が多いこともあって、主に日電協と日工組とが警察庁と自主規制について議論するというスタイルである。どちらにも加盟していないパチスロメーカーの場合は連絡会の議論事項にコミットすることはできず、決定だけ守るというものだ。
今回は傾斜値規制が新設される見込み。これは役物非作動時における傾斜値をマイナスに、というものであるが、わかりやすく言うと「再遊技分を除いて期待値100%以上はNG」ということである。なお、再遊技確率が高くなって100%を超える分はOKである。
ぱちんこ業界はさまざまな自主規制を実施している。ちょっと前には日工組が「のめり込み対策」としてギャンブル性を抑制する自主規制を決めたばかりだ。
これらの自主規制は「自主」と言いながら、決める前に必ず警察庁の了承を得る必要がある。一応建前としては「こういう自主規制は法令に違反しないですね?」という確認ということであるが、実態は違う。自主規制を制定させたい警察庁がさまざまな形で業界団体に圧力をかけ、こういう自主規制で良いかというお伺いを立てさせ、規制内容に警察庁が納得しない場合は再度内容を作り代えさせて、ということを繰り返して最終的に決まるものである。