2015.7.11 05:00
□ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳
■持続可能な産業として生き残る努力を
「くぎ」に関しては、警察庁のスタンスに驚きを隠せなかった。誤解を恐れずにいえば、やりすぎだ。多くの人々が雇用されているこの数十兆円産業を「くぎ」の一言で簡単に潰す気なのか。その責任を一体誰が負うのかと聞いてみたくなる。減ったとはいえ、1000万人近いファンに支えられる娯楽。その存在に対し賛否はあれども、納税や雇用をはじめ産業として社会に貢献していることは否定できないだろう。
しかしながら、業界にもこういう指摘がなされる責任の一端はある。ネットで出回っている「釘曲げ」写真はひどいものだ。警察署宛てに同様の写真が多数届けられる現状とも聞く。つまり、一部パチンコホールでこういう「釘曲げ」行為が存在することは事実であり、これを取り締まる必要性は健全な遊技環境の実現には不可欠だ。
かねてから指摘しているが、業界に対する行政の指導や規制の厳格化の原因は決して外にはない。確かに、カジノ法案成立に向けた背景で、ギャンブルとの差別化という外からの影響も少なからずあるが「つつかれる先」は常に業界の中にある。一部の不正な業者による行為が業界全体を窮地に追い込み、社会的イメージを極めて悪化させることは今に始まったことではない。不正遊技機の使用や脱税しかり。まじめにビジネスを行う大半の企業が彼らのあおりを受け、「貧乏くじ」を引かされてきた。