□富士通 法務・コンプライアンス・知的財産本部ビジネス開発部長 吾妻勝浩さん(54)
--自社の特許活用を中小企業に呼びかけている
「2004年から本格的に取り組みだした。地域経済の担い手である中小企業に新規ビジネスを創出してもらうのが目的。当社が保有する約9万5000件の特許全てを基本的に開放している」
--積極的に取り組む理由は
「もちろん研究開発者にとっては取得した特許が自社で使われるのが理想だが、(活用されない)『休眠特許』も少なくない。自社以外で使われればロイヤルティー収入が得られ、開発者のモチベーションも上がる。中小企業が新規ビジネスとして成功すれば地域の雇用や税収増につながり、地方創生にも貢献できる。中小企業は開放特許の活用に手を挙げてほしい」
--中小企業にとって苦手なマーケティングの支援は
「ライセンス契約を結ぶとき、その中小企業のお客さまを踏まえた『出口戦略』を考える。契約締結はゴールではなくスタート。販売先まで手伝うのが肝心で、どれだけ中小企業がもうけることができるかが出口戦略のポイント。中小企業のニーズ優先で、情報交換しながら得たキーワードから、その企業に有効な特許を探し出すことまでやる」