コメをとぐ必要がなく、水道代も節約できる無洗米は、コメの酸化(劣化)を防ぎ、おいしさを長持ちさせる効果もある-。無洗米の普及拡大に取り組む特定非営利活動(NPO)法人・全国無洗米協会(理事長・今村征記氏)が日本食品分析センターに依頼した調査でこんな結果が明らかになった。ただ、その効果が確認できたのは同協会が認証した無洗米に限られており、今後は認証無洗米の「優位性」を消費者に強力にアピールしていく方針だ。
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■精米後十数日で味覚に明らかな違い
今回の調査では、2014年の長野県産コシヒカリを精米してから1カ月後の脂肪酸度を調べた。その結果、協会認証無洗米の脂肪酸度は5.8ミリグラムで、普通白米の11.7ミリグラムに比べて半分にとどまった。また、同じ14年の山口県産ヒノヒカリを精米してから十数日後に炊飯し、味覚分析会社のAISSY(東京)で分析したところ、「甘味+旨味-苦味」の点数は協会認証無洗米が3.71だったのに対し、普通白米が3.45、協会が認証していない無洗米が3.38となった。AISSYによると、「甘味、旨味は数値が高くなるほど美味で、0.2の差があればだれでも味覚の違いを感じられ、敏感な人であれば0.1の差でも違いが感じられる」という。
同協会はこれまで、精米されてから無洗米機にかけられる直前のコメ(普通精米)と、無洗米機にかけられた後の無洗米とを、それぞれ加工処理後すぐに測定していたため、「食味差」はほとんどなかった。今回の調査によって協会認証無洗米の「美味効果」がはっきり表れた格好だ。