フィリピンでセブン-イレブンを展開するコンビニエンスストア最大手フィリピン・セブン・コープの業績が好調だ。今年1~3月期の最終利益は前年同期比12.9%増の1億1290万ペソ(約3億円)に達した。売上高は同24.2%増の44億3000万ペソだった。積極的な店舗網拡大や営業利益率の改善が主な要因だ。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
セブン-イレブンは同国コンビニ市場において店舗数ベースで約6割のシェアを持つ。1~3月期は59店舗を新たに開設、総店舗数は1341店舗に拡大した。競争が激しい首都圏以外でも出店を加速しており、2013年に中部ビサヤ諸島のセブ島とネグロス島、14年に同パナイ島に進出したのに続き、今年は南部ミンダナオ島への出店を計画している。また、同国第2の都市ダバオでは30店舗を出店する予定だ。
同社のホセ・ビクター・パテルノ社長兼最高経営責任者(CEO)は、未開拓エリアでの店舗の設置は最初の数年間、物流コスト高などを伴うが、いち早く参入することで先行者利益を狙うと強気の姿勢を示した。向こう4年で同国内の総店舗数を2000店舗にまで拡大し、シェア首位の座を維持する構えだ。
同国のコンビニ市場は、旺盛な内需を背景に拡大を続けており、地場不動産開発大手アヤラグループが展開するファミリーマートなども追撃するなか、今年3月には地場小売り大手ピュアゴールド・プライスクラブと組んだローソンも同市場に参入しており、今後、競争が一段と激化しそうだ。(シンガポール支局)