楽天は、森林保全活動「楽天の森」の対象地域を東北6県から全国15県へ拡大した。楽天の森は、国の絶滅危惧(きぐ)種「イヌワシ」が生息する森林を再生し生息環境を守る取り組み。ただ、同生息域以外の県でも森林荒廃が進んでいるため、対象エリアを広げた。
楽天の森は、プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のマスコット「クラッチ」がイヌワシをモデルにしていることから、昨年7月、スタートした。 東北6県は、イヌワシの生息が確認されている地域だったため、活動地域としてきた。だが、イヌワシの保護に限らず、それ以外の地域でも、全国各地で後継者不足や人材難などによる里山の放置、荒廃など、さまざまな森林問題があるため、対象エリアを拡大した。
新たな地域は、長野、奈良、高知、和歌山、滋賀、新潟、徳島、鳥取、島根の9県。多様な生物の保全のための間伐、放置された里山の再生、間伐材の利用による地域産業の活性化、森林環境教育の促進などに取り組む。
今後のエリア拡大については「取り組みへの賛同を得ながら、活動の範囲を日本全国47都道府県へと拡大したい」(同社)としている。
なお、活動費は、インターネット上の仮想商店街「楽天市場」に出店する店舗や宿泊予約サイト「楽天トラベル」に登録する宿泊施設のほか、楽天グループが提供する各サービスの売上金の一部を充てる。
一方、楽天は「楽天の森」の海外版「Global Rakuten’s Forest」も始めた。第1弾は電子商取引事業を展開しているインドネシアで、4月下旬に同国で取り組み開始の記念植樹を行った。
同社によると、「経済発展を続けるインドネシアは、世界の中でも森林減少が著しい」という。