【早坂礼子の経済ウォッチング】ニッポンコーヒー戦争(3)
豆の産地や淹れ方にこだわるサードウェーブコーヒーの人気やコンビニエンスストアの店頭で気軽に楽しめる100円コーヒーの浸透などコーヒーの楽しみ方の選択肢が広がっている。既存のコーヒーチェーン店は、こうした新しい動きをどうみているのか。
“居心地の良さ”で対抗
プロントは、サントリーとUCCグループが共同出資して1988年にスタートしたコーヒーチェーンだ。サラリーマンやOLなどをターゲットに首都圏のオフィス街などを中心に出店。同じ店が昼はカフェ、夜はバル(居酒屋)になる“二毛作方式”でスターバックスやタリーズなど他の大手コーヒーチェーンとは一線を画す独自路線を歩んでいる。
同社の羽入隆之・事業企画部副部長は「新規参入組による競争激化で、うちの店のコーヒー販売は1日平均2~3杯ずつ減っています」と話す。
テコ入れ策はふたつある。ひとつは商品の味。「サードウェーブ系は“豆本来の味を楽しもう”というスタンスだし、セブン-イレブンのコーヒーもすっきりとして苦くない」と分析。