0歳から6歳までの子供向けに特化した日本の伝統産業の技術を生かしたブランド「aeru(和(あ)える)」を展開している。こぼしにくいコップ、こぼしにくい器など、幼い子供の目線に立ってデザインし、職人が持てる技術を注ぎ込んだ。日本の優れた伝統工芸品を愛用することで、「『日本に生まれてよかった』と思ってほしい」と和えるの矢島里佳社長は願いを込めている。
職人の技術に魅了
中高生のとき茶華道部の活動で日本の伝統文化への関心を深める。大学生になると日本各地の伝統産業の職人を広く世の中に知ってもらいたいと思い立つ。取材企画書をJTBに持ち込み採用され、季刊誌での連載が実現した。全国の若手職人をたずねる連載は3年にわたり続く。このとき出会った職人は、のちに矢島社長の心強いビジネスパートナーとなる。
取材を通じ、伝統工芸品と職人の技術の素晴らしさを改めて認識するが、なぜ衰退しているのかも見えてきた。色遣いや形などのデザインが現代の感覚に合っていないため、市場のニーズを捉えていないと感じていた。