トヨタ依存は大きなリスク 日産・ホンダと「チーム日本」でドイツ勢に対抗を (1/3ページ)

2015.4.27 06:18

【高論卓説】中西孝樹

 トヨタ自動車は3年間の沈黙を破り完成車組み立てのメキシコ新工場を2019年までに新設することを発表した。リーマン・ショックを受けた業績悪化とその後の品質問題を受け、トヨタは身の丈を超えた成長を深く反省した。11年には、持続的成長を柱に置いたグローバルビジョンを掲げ、これを実現する真の競争力を社員全体で考え抜く決意を示した。「3年間ゼロ新工場」方針を掲げ、持続的成長をもたらす体質が何であるかを見極めるモラトリアム期間を定めた。今回の決定は、持続的な競争力が何によって具現化できるかというトヨタの回答が含まれる。

 自動車は装置産業であり、規模そのものが強靱(きょうじん)な競争力になることに疑いの余地はない。しかし、技術革新、製品設計のアーキテクチャーの変化、バリューチェーンが変化するとき、規模が大きいことはむしろ環境変化への対応が困難な弱点と化す。それは、まさに米ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻劇が証左となった。

 600万台から1000万台までの成長と、1000万台を超えてからの成長は意味が違うとトヨタは主張する。実力を超えた破竹(はちく)の進撃を遂げても、崩壊すれば取り返しがつかない事態となりかねない。「人づくり」を基本とする同社らしく、人が成長した分だけ年輪を重ねるような着実な「年輪成長」が現在のトヨタのスタンスだ。

フォルクスワーゲンやルノーとの差は広がる一方

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