ビール大手5社が10日発表した1~3月期のビール系飲料(ビール・発泡酒・第3のビール)の課税出荷量は前年同期比9.1%減の8385万ケース(1ケースは大瓶20本換算)だった。1992年の統計開始以降、1~3月期で過去最低になった。
前年実績を下回るのは2年ぶり。前年は消費税増税前の駆け込み需要が生じたため、その反動が出て減少した。2013年との比較でも微減となっており、少子高齢化や若者を中心としたビール離れの影響も出ている。
ビールは8.7%減の3976万ケース。第3のビールは13.0%減の3093万ケースと大きく落ち込み、04年に全国市場に登場して以降、1~3月期で初の前年割れとなった。一方、発泡酒は0.4%増の1315万ケース。各社がプリン体、糖質をゼロにした「ゼロゼロ発泡酒」を昨年後半から投入したため。
また、10日までにビール大手4社が公表した1~3月期の販売状況によれば、アサヒビールが11%減、キリンビールが8%減、サントリービールが6%減、サッポロビールが15%減と各社とも落ち込んだ。サッポロは第3のビールで苦戦しており、大きくシェアを落としたもようだ。