経団連が「女性の活躍推進」の目玉として登用を決め、会長の助言機関である審議員会の副議長に6月に就任するBTジャパンの吉田晴乃社長(50)が、1日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じた。経団連初の女性役員としての重責に挑む決意を示す一方、欧米市場でのビジネス経験を生かし、女性が働きやすい環境づくりのために日本企業が取り組むべき課題などを語った。
◆新しい風吹き込む
吉田氏は、経団連の榊原定征会長から電話で副議長就任を打診され、どう返事すればいいのか迷っていたが、榊原会長の一言で決心が固まったという。
「榊原会長が言葉少なに語ったのは『みんなでサポートしますから経団連に新しい風を吹き込んでください』でした。それを聞き、会長はこの仕事の大変さを分かってくれていると安心しました。『これほどありがたい話はありません。やらせていただきます』と即答しました」
経団連初の女性役員誕生のニュースは国内の新聞だけでなく、英紙なども大きく扱った。海外企業の女性役員の先輩や友人たちから励まされ、女性活躍の環境づくりに意欲を燃やす。
「女性活躍のシンボルとして経済界が自分に白羽の矢を立てたのは光栄ですが、押しつぶされそうな重圧を感じずにはいられません。でも、海外の友人たちから『こういう時代に生まれた女性たちの使命がある。私たちもみんな頑張ってきたのよ』と背中を押され、今は楽しみな気持ちでいっぱいです」
男女平等のレベルを示す世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」(2014年)で、日本は104位にとどまり、他の先進国に後れを取る。しかし、安倍晋三政権が打ち出した政策をきっかけに女性の活躍は大きな動きになっていくことは間違いないと感じている。