看護学科を新設する大学や専門学校が増加するなか、「メディカ出版」(大阪市淀川区)の看護学生用デジタル教科書がシェアを伸ばしている。人体の複雑な仕組みを理解しやすい動画などが人気の秘密で、4月からは、紙媒体の教科書にスマートフォン(スマホ)をかざすと動画を見ることができる仕掛けをスタートする。今後もさらにデジタルと紙の融合を進めていく構えだ。
同社は1977年、分娩(ぶんべん)法「ラマーズ法」を普及する講演会の企画・運営のため設立された。次第に看護、医療分野を専門とした雑誌の出版にも手を広げ、現在では22の専門誌を出版している。
インターネットの普及に対応して、紙媒体のデジタル化にいち早く取り組み、心電図の仕組みを学ぶゲームソフト「らくらく心電図トレーニングDS」でヒットを飛ばし、「業界に革命をもたらした」といわれている。
看護学生用のデジタル教科書「デジタル ナーシング・グラフィカ」は2012年3月に発売。同社が発行する紙媒体の教科書全41巻、重さ約30キロ、1万ページ以上を米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」に収載している。