【インゴルシュタット=田村龍彦】独高級車のアウディは10日、高速道路で走行できる自動運転車を2017年に市販する方針を明らかにした。時速60キロ以下ならドライバーは車に運転を委ねることができる。自動運転は自動車メーカーのほか、IT企業なども開発を進めており、競争が激しくなっている。
「アウディは自動運転のパイオニアだ。17年に発売する(高級セダン)『A8』は自動運転に移行する最初のモデル。パラダイム(枠組み)を転換する」
10日にドイツ本社で開いた記者会見で、ウルリッヒ・ハッケンベルク開発担当取締役は自信を見せた。
新型「A8」はセンサーやカメラなど最新システムを搭載。渋滞時など時速60キロ以下で高速道路を走行する場合に自動運転が可能になる。ドライバーに操作を戻す際は10秒前に車が警告を出すという。
アウディが1月に米国で行ったテストでは、自動運転車がカリフォルニアからラスベガスまで約900キロを走行した。これまで開発を進めてきたが、他社に先駆け量販車で投入する。