百貨店大手4社が2日発表した2月の売上高速報は既存店ベースで、いずれも前年を上回った。中華圏の旧正月である春節(2月18~24日)の連休で訪日客が大きく増え、全体を押し上げた。この動きは4社以外にも波及し、今月半ばに発表される2月の全国百貨店売上高も、11カ月ぶりにプラスに転じる可能性がある。
三越伊勢丹は7・0%増と8カ月連続で前年を上回った。伸び率は消費税増税以降で最大だった。
押し上げたのは前年比約3倍となった免税売り上げ。訪日客の多い銀座店の場合、約4倍に達し、全売り上げに占める割合も25%と過去最高だった。婦人雑貨が伸び、国産のスキンケアブランドなどが売れた。
高島屋は0・1%増で3カ月ぶりのプラス。免税売り上げは約3倍だった。海外有名ブランドのバッグや腕時計が売れた。J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は2・5%増、そごう・西武は2・6%増だった。
こうした傾向はほかの百貨店にも広がる可能性がある。日本百貨店協会によると、全国百貨店売上高は2月半ばまでプラスで推移しており、後半の「春節効果」を加えると、月全体での前年超えが視野に入る。
各社は今後も訪日客を「固定客」にするため、「店での言語対応などを進め、ストレスなく買い物していただく取り組みを続ける」(三越伊勢丹)としている。