NTTドコモが、在米日本人向けに米国で提供している携帯電話サービスを来春にも終了し、米国市場から撤退する方向で検討していることが12日、分かった。2011年から米携帯電話大手の通信網を借りて留学生など短期滞在者向けに仮想移動体通信事業者(MVNO)としてサービスを提供してきたが、利用者は約8千人と伸び悩んでいた。
ドコモは米AT&Tに約1兆円の巨額投資を行ったが、その後のITバブル崩壊で市況が悪化し、04年に引き揚げた経緯がある。
ドコモは11年に米国携帯電話市場にMVNOとして再参入。子会社のNTTドコモUSAがニューヨーク、首都ワシントンなど4拠点を中心に日本人駐在員や学生を主な顧客に、携帯電話サービスを月額15ドル(約1800円)から提供している。
ただ、事業は赤字続きで、将来の収益改善も見込みにくい状況だ。
ドコモは国内で携帯電話サービスに導入した定額通話などを柱とした新料金プランへの急激な利用者の移行によって収益が悪化。17年度までに4千億円(13年度比)に上るコスト削減に取り組んでいる。