キヤノンは10日、スウェーデンの映像監視システム大手アクシスを買収すると発表した。3月初旬から株式公開買い付け(TOB)を実施し、発行済み普通株式の100%取得を目指す。買収額は最大約3337億円を見込んでいる。キヤノンの買収案件としては、2010年に約1000億円を投じて傘下に収めたオランダのプリンター大手オセを上回り、過去最大となる。
キヤノンは、主力のデジタルカメラや事務機器に次ぐ柱として、需要が伸びている監視カメラ事業などの強化を進めている。インターネットを活用したネットワーク監視カメラでは世界最大手のアクシスを買収することで、事業拡大を急ぐ。
キヤノンは、得意とする光学技術を生かしたレンズなどの製品を展開しているが、アクシスはネットワーク映像処理技術に優れており、新製品の開発で相乗効果が出せると判断した。また、アクシスが世界中に持つ約7万5000社に及ぶパートナー企業のネットワークなども活用し、海外での販売やサービス網の充実を図りたい考えだ。