巨額赤字決算のソニーが一時ストップ高となり、2500億円の通期黒字を予定する日立製作所が10%近く株価が下がるという、一見奇妙な現象が5日の東京株式市場で起きた。両社とも前日4日に決算発表をしたが、その内容が原因だという。
ソニー株は前日終値の2769円に対し、この日は寄り付き段階で2011年3月の東日本大震災後初めてとなる3000円台を回復。さらに上昇が続き、午前11時ごろには18.1%、500円高い3269円とし、一時ストップ高となった。2010年4月以来、4年8カ月ぶりの高値水準。終値は332円50銭高の3101円50銭で、上昇率12.0%は東証1部の値上がり率2位だった。
一方、日立株は寄り付きから軟調で、終値は9.9%安、85円60銭安の781円で取引を終了した。一時768円20銭まで下げ、下げ幅は10%を超えた。終値は東証1部の値下がり率2位となった。売買代金は東証1部で買い主体のソニーが1位、売り主体の日立が2位と対照的な取引となった。