だが、NTT幹部は総務省や川崎議員らに、電気通信事業法にある「卸役務は相対取引も認める」という条項を盾に、それが可能と説明。卸役務は、公益事業者向けなど例外的なケースを想定して相対取引を認める条項だが、NTTはそれを逆手にとった格好だ。
しかし、川崎議員は「法に触れないとはいえ問題は残る」として衆院選前の昨年10月、調査会で議論を開始。光サービス卸に事実上“待った”をかけた。実現すれば、NTTドコモを含めたNTTグループのほか、多様な事業者が光サービスに割安な料金で参入する可能性がある。これに対してKDDIなど通信事業者は「独占回帰につながる」と猛反発。地方で競争にさらされるCATV事業者は危機感を抱き、川崎議員事務所に陳情に訪れた。
なかでも川崎議員の地元でもある三重県の大手CATV事業者「ZTV」(津市)の田村憲司社長は、タムゲンこと田村元・元衆院議長の弟。田村憲久前厚労相の父でもあり、川崎議員とも昵懇(じっこん)の仲だ。