不動産会社などデベロッパー各社が相次いでマンション建て替え事業の強化に乗り出した。営業要員を増やしたり、担当セクションを新設したりして受注体制の拡充に力を入れる。老朽化が進むマンションの解体と敷地の売却を行いやすくする「改正マンション建て替え円滑化法」が昨年12月に施行されたからだ。老朽マンションの中には都心部の好立地物件も少なくなく、売却が進めば高付加価値の新築マンションやオフィスビルに生まれ変わり、人気物件になる可能性が高い。デベロッパーによる受注合戦も激しさを増しそうだ。
売却ハードル下がる
建て替えの対象は、耐震性が不足する老朽マンション。これまでは売却するのに所有者全員の同意を必要としたが、耐震基準を満たしていないマンションについては8割以上の賛成で可能になった。耐震性の高いマンションへの建て替えやオフィスビルなどの再開発を促すのが狙いだ。
「都心にあるワンルームマンションの建て替えが進むのではないか」
建て替えでトップクラスの実績をもつ新日鉄興和不動産(東京都港区)の松本久長・常務執行役員はこう予測する。