東芝が二酸化炭素(CO2)を出さずに電気を供給するシステムの構築に着手したことが8日、明らかになった。自然エネルギーで製造した水素でガスタービン発電所を稼働させることなどにより理論上、CO2の排出をゼロにする。2020年度の実現を目指す。
同社は今春、府中事業所(東京都府中市)に設置する「水素エネルギー研究開発センター」で次世代エネルギーとしての水素関連技術の開発や検証を本格化する。
風力や太陽光などによる発電を大規模に行うのに適した土地は国内に少ない。このため、海外で発電した電気を使って水を分解し、水素を取り出す。国内に運んだ水素を燃料に発電すれば、環境負荷が極めて小さい電力網ができる。自然エネルギーで直接、発電するより供給量も安定化する。環境やエネルギー問題の深刻さから、東芝は今後、こうした発電システムへの需要が高まるとみている。