川崎重工業が、航空エンジンなどを製造する西神工場(神戸市西区)で、生産ラインを自動化投資を行うことが7日わかった。平成29年まで毎年数億円を投じ、増産と省力化を図る狙い。航空関連では、三菱重工業やIHIも、生産ラインの新設に伴い自動化を進めるという。重電大手は、新興国をはじめとする旺盛な航空機需要を背景に、航空エンジンや機体の増産に向け、設備投資の動きが広がっている。
川崎重工西神工場では、米ボーイングの中型機「B787」に使われるエンジン「トレント1000」と、欧州航空機大手エアバスの「A350」のエンジン「トレントXWB」を生産している。生産能力は現在、月産計10台だが29年には同35台に増やす計画だ。今後、生産ラインに自社製ロボットなどを導入し、人員増を抑えてコストダウンを図るという。
あわせて、ロボットのコストダウンも急ぐ。1台で複数の加工を行う数値制御(NC)工作機械は1台あたり約1億円だが、自社製ロボットを活用し、導入時の費用を現在の3分の1程度に抑制するという。またエンジンなどの完成品を自動搬送する装置の導入も検討し、生産力を増強する。
同社ガスタービンビジネスセンターの山田勝久副センター長は「ラインの自動化に加え、素材メーカーに素材の改良を求め、加工費を減らすなどの取り組みも検討している」と打ち明けた。